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特定債務保証と根保証の違いを完全解説!「包括根保証」が廃止された理由とは?

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特定債務保証と根保証の違いを完全解説!「包括根保証」が廃止された理由とは?

銀行から融資を受ける際、基本的には不動産や売掛債権、手形などの担保を差し入れなければなりません。もし、担保になるものが無ければ、連帯保証人を立てなければ融資を受けることができません。

参照 銀行融資で資金調達 金利の低い銀行から賢く資金調達する方法

 

保証には大きく分けると「特定債務保証」と「根保証」の2種類があります。過去には「包括根保証」という種類の保証もありました。

今回は「特定債務保証」と「根保証」の違いや特徴について解説します。また、包括根保証が廃止された理由についてもあわせて解説していきます。

特定債務保証と根保証の定義

そもそも保証とはどういう意味なのでしょうか。

「保証」の定義に関しては民法446条に提示されています。

第446条
保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

参照 保証債務(外部サイト)

 

つまり「保証」とは

債務者(お金を借りた人)が返済しない(できない)場合、債務者に代わって返済する義務のこと

になります。保証人と言われている人はこの「債務=返済の義務」を負う人のことです。連帯保証人と債権者(融資を受ける人)との間で結ばれる保証契約によって、連帯保証人に債務が生じるのです。

不動産などの物的担保に対して、連帯保証人の資金力を担保にするため「人的担保」とも言われています。保証人が個人である場合は「個人保証」になり、法人格が保証人になる場合は「法人保証」と区別され、その中でも信用保証協会のような保証そのものを業務にしている法人に限っては「機関保証」と区別されています。

保証人が負う債務における大前提として「どこまでを保証債務の範囲とするか」が特定債務保証と根保証の違いなのです。

特定債務保証の定義

特定債務保証とは特定の債務に対してのみ保証義務を伴う保証契約のことです。

債務というのは借金を返済する義務という意味です。特定の債務とは、1回限りの融資商品などが該当します。

会社を経営していて、その会社の運営費用に融資を利用する場合、一度に大きな金額の融資を受けると思います。大きな金額の借入れの返済を数十回に分けて行なうのが一般的な融資商品です。このような「1回限りの融資」を特定債務といいます。

金融機関によっては、特定債務保証と言わずに「確定保証」や「個別保証」というような呼び方をしています。特定債務保証の「特定」の部分によって呼び方が変わるということを覚えておくとよいでしょう。

根保証の定義

根保証とは債務者が現在保有する債務、また将来保有する債務のすべてについて保証する契約のことです。

現在保有する債務と将来保有する債務とは、わかりやすくいうと「カードローン」や「当座貸越」のような、限度枠内で自由に借入ができる融資商品のことです。

参照 当座貸越とは自由度の高い融資商品 自由に借り入れ返済可能だが利用には厳しい審査あり

 

カードローンや当座貸越の場合、借入可能な限度額が設定されます。この限度額すべての債務保証が根保証です。ビジネスカードローンなど、借入限度額が高額な融資商品には根保証による連帯保証人が必要になる場合もあります。

根保証では、保証する債務金額に対して、いくらまで保証するのかという金額である「極度額(きょくどがく)」を定めなくてはなりません。2020年の民法改正において施行されました。極度額と難しい言い回しですが、簡単にいうと「保証上限額」です。

借り入れをして返済不可能になった場合に、連帯保証人が負う債務の上限額を設定することで、銀行側としても本来の債務者(借り入れの申し込みをした人)への限度額の設定がしやすくなります。また、債務者が返済不能に陥ったとしても、事前に保証上限額が決まっているため、連帯保証人側としても大きな負担にならないことが特徴です。

特定債務保証と根保証の違いと共通点

金融機関の融資商品には、不動産を担保にする「不動産担保融資」や売掛債権を担保にする「売掛債権担保融資」などがあります。担保とは、返済ができない場合にお金に代わって回収されるものです。不動産や売掛債権以外にも、会社の高額な設備などが担保になる場合もあります。

担保融資以外でも融資商品があり、その融資商品において担保以外に連帯保証人の保証契約も必要になるものがあります。このときに連帯保証人の負う保証契約が「特定債務保証」であり「根保証」になるのです。

連帯保証人が負う債務範囲の違い

特定債務保証と根保証で連帯保証人が負う債務範囲は次の通りです。

  • 特定債務保証
    借入れした金額のうち返済しきっていない金額
  • 根保証
    融資限度枠の金額のうち、返済しきっていない金額の極度額分の金額

特定債務保証の例を挙げてみましょう。1億円の融資を受けて、返済残額が8,000万円で債務者が返済できなくなった場合には、連帯保証人は8,000万円の返済(利息込み)が発生するということになります。

対して根保証の場合です。極度額は500万円としましょう。1億円の融資限度枠のうち、債務者が2,000万円しか利用しておらず、返済残額が1,000万円の段階で返済不可能になった際に、連帯保証人が返済する債務は500万円(利息込み)ということになります。

保証契約の際に取り決めを行なう条項の違い

特定債務保証と根保証では保証契約を行う際に契約書に書かれている内容が異なります。

  • 特定債務保証
    債務者と同じ内容(日付、金額、金利、返済方法など)
  • 根保証
    極度額、保証期間制限、保証債務を負担しない条件

特定債務保証については、債務者と同じ条件が書かれている契約書にサインしなくてはなりません。対して根保証の場合は、極度額のほかに保証する期間や保証債務を負担しない条件について、別の契約書が必要になります。

保証期間制限とは、2004年の民法改正時に次の条項が改正されたことで設けられた制限のことです。

民法第465条の3
個人貸金等根保証契約の存続期間に関して、元本確定期日の定めがなければ個人貸金等根保証契約締結の日から3年を経過した日をもって元本が確定する、元本確定期日を定めたとしても5年を超えることはできない、5年を超える期間を定めた場合、その定めは無効になり、3年と取り扱う

参照 保証債務(外部サイト)

 

つまり、3年もしくは5年を経過した段階で保証人としての返済義務が無くなるということです。実際にお金を借り入れる人(主債務者)は3年~5年以内に融資された金額を返済しなければなりません。そのため、返済に5年以上かかる高額な事業性融資の場合は根保証ではなく、特定債務保証による保証人契約が必要になるのです。

また、根保証契約には保証債務を負担しなくなる条件も設定されます。保証債務を負担しなくなる条件に関しても民法で定められています。

民法第465条の4第1項~2項
1 次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。
一 債権者が、保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。
二 保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。
三 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。
2 前項に規定する場合のほか、個人貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、次に掲げる場合にも確定する。ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。
一 債権者が、主たる債務者の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。
二 主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。

参照 保証債務(外部サイト)

 

上記の内容が契約書に無ければ根保証による保証人契約は無効になります。

事業性融資のほとんどが特定債務保証にしているのは、民法による制限があるからなのだな。

保証は他にもある?包括根保証が廃止された理由

根保証に制限がかかるようになったのは、改正前までに使われていた「包括根保証」が原因です。包括根保証には、極度額や期間の制限、保証債務を負担しなくなる条件などが一切定められていませんでした。そのため、もし本来返済を行なうはずの債務者が返済不可能になった場合、連帯保証人がその債務をすべて負ってしまい、結果的に連帯保証人の返済能力を超えた債務責任が発生することになっていたのです。

テレビドラマなどで、父親が友人の借金の連帯保証人になったばっかりに多額の借金を背負ってしまった…というのは、この包括根保証が原因だったのです。このことから包括根保証が改正され、融資を行なう金融機関や金融会社も事業性融資の場合には、根保証ではなく特定債務保証を求めるようになりました。

特定債務保証も根保証も保証人になる場合はそのリスクを理解してから契約しよう

特定債務保証や根保証の融資商品において、もし自分自身が保証人になる場合には、それぞれのリスクや特徴などを理解した上で保証人契約の承諾をするとよいでしょう。保証の範囲を知らないまま保証人になってしまい、借金を返すはずの人が返済しきれなくなった場合、その借金を肩代わりするのは、保証人であるあなたです。

特定債務保証もしくは根保証といった種類にかかわらず、保証人になるのはリスクが伴うものです。また、自分が融資を受ける場合、友人や親類に保証人を依頼するときには、どんな保証の内容かをきちんと伝えましょう。

保証の内容を伝えないまま保証人契約を結び、もし自分が返済できなくなった場合には多大な迷惑をかけてしまいます。必ず保証内容に関する説明は行なうようにしましょう。

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