シードラウンドとアーリーステージの関係をわかりやすく日本語で解説

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会社の状態を「シード」、「アーリー」、「ミドル」、「レイター」という4つに区分されることがあります。

それぞれの意味合いとしては以下の通りとなります。

シードラウンドとアーリーステージ

「アーリーステージ」とはスタートアップして間もない状態の会社の状態であり、「シードラウンド」とはさらにその前の、アーリーステージの段階で資金調達を行うことです。

ベンチャー企業が起業して営業に必要な商品開発や新しいサービスを展開するには資金が必要です。この資金を調達する段階の状態は「アーリーステージ」と呼ばれています。つまりアーリーステージとは『起業後に新規事業を行なうために必要な資金集めをする段階』を指す言葉です。シードラウンドとは、アーリーステージでの資金調達を指します。

シードラウンドやアーリーステージのようなシリコンバレー用語はその内容を理解していないと、資金調達交渉の際に「え?なんのこと?」となりかねません。そこで今回は「シードラウンド」と「アーリーステージ」の関係をわかりやすく日本語にして詳しく解説していきます。

シードラウンドとアーリーステージの関係

冒頭でも述べましたが、アーリーステージとはベンチャーで起業したばかりの会社が、最初のプロダクト(商品やサービス)を展開するための資金集めをしている段階のことです。

つまり会社を立ち上げて一番初めの段階のことです。

アーリーステージ中の資金調達=シードラウンド

アーリーステージ中の資金調達をシードラウンドと呼びます。ただし、この呼び方には諸説あります。シードラウンドはアーリーステージ中の資金調達を指す一方で、ベンチャーとして起業するための資金集め、つまり起業前の資金調達にも使われる説があるのです。

この場合、シードラウンドは起業前の資金調達を指す言葉になり、起業してから最初のプロダクトに必要な資金調達の段階を「アーリーラウンド」と呼びます。

そもそも、起業前に融資などで資金調達はできません。会社を設立していない個人に対して法人用の運転資金融資は行なっていないからです。ですが、多くのベンチャー企業はアーリーステージ中にもかかわらず、新規プロダクトの開発やサービス展開に必要な資金を調達できているのです。

そもそもベンチャー企業とはなんなのか?

まずそもそもベンチャー企業とはどんな会社を指すのでしょうか。ベンチャー企業には明確な定義がありません。一般的にベンチャー企業は、独自のアイデアや技術をもとにした商品、サービスを展開している新興企業という認識が大半です。また、最先端技術や新しいビジネスモデルなど、新しい市場を開拓している企業をベンチャー企業と呼ぶことがあります。

ベンチャー企業は既存の中小企業と分けて表現されることがあります。ですが実際のベンチャー企業は中小企業であることがほとんどです。

中小企業とは中小企業基本法という法律に則って設立・運営されている法人のことです。業種によって中小企業となる規模は異なり、製造業であれば「資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社。または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人」が中小企業に定義されます。ベンチャー企業も中小企業基本法によって従業員の人数や資本金によって中小企業に分類されるのです。

この記事で表現している「ベンチャー企業」は『独自のアイデアや技術をもとにした商品、サービスを展開している新興企業』を指しています。シードラウンドやアーリーステージといった言葉はベンチャー企業が多い、アメリカのシリコンバレーで使われている用語です。日本語にすると

アーリーステージ→起業後に新規事業をスタートさせる段階
シードラウンド→起業後に新規事業をスタートさせるために必要な資金を調達すること、またはその段階

という意味になります。

起業から黒字化するまでの資金調達段階=投資ラウンド

シリコンバレー用語では、起業前から黒字化するまでの資金調達段階のことを「資金調達ラウンド」といいます。このラウンドは「投資ラウンド」とも呼ばれており、投資家がベンチャー企業へ投資するための目安となる考え方として利用されています。

もちろん投資家だけではなく、ベンチャー企業側も会社の成長戦略を立案するために利用している会社が多いです。ラウンドは全部出5つの段階に分かれており「フェーズ」という表現をする場合もあります。

段階の呼び名は次の通りです。

起業から黒字化するまでの資金調達段階=投資ラウンド

シード

SEEDつまり「種」という意味の段階が「シード」です。

冒頭でも述べましたが「シードラウンド」はアーリーステージ中の資金調達を指す言葉であると同時に、起業前の資金集めの段階をも指しています。投資ラウンドの中での「シード」は起業前の状態です。金額的には業種にもよりますが、おおよそで500万円~1,000万円程度が必要と言われています。

アーリー

起業直後の段階が「アーリー」です。

スタートアップ企業のことを指します。赤字経営覚悟で新しいプロダクトやサービスを展開しているため、多大なコストが発生している上、将来的な売上の見込みも立っていないため、資金繰りを常に心配している段階になります。必要な金額も2,000万円~5,000万円程度が必要です。

シリーズA

プロダクトを使った営業やサービスが本格的にスタートし、顧客が増えて利益を出せるようになった成長段階が「シリーズA(エクスパンション)」です。

広告費用などもアーリーに比べて多く必要になり、資金繰りはアーリーよりは安定しているものの、まだまだ必要な段階になります。調達金額は数千万円~2億円程度です。

シリーズB

事業全体が軌道に乗り始め、会社の規模拡大のために株式上場などを検討しはじめる段階が「シリーズB(グロース)」です。

経営者や投資家がシードから投資してきた金額を回収する段階でもあります。会社の拡大にともなって、さらなる設備投資や広告費用、人材確保などが必要になるため必要な資金も数億円規模になります。

シリーズC

継続して黒字経営を行なっており、新規株式公開(IPO)や事業売却・事業承継(M&A)を意識する段階が「シリーズC(レイター)」です。

事業の全国展開や海外展開などを進める際には大規模な資金調達が必要です。調達する金額は数十億円にのぼります。

参照 資金調達は1回きりでは終わらない!?-「投資ラウンド」ってなんだろう-

 

アーリーステージではまとまった金額の資金調達が必要になる

アーリーステージでは、業種にも新規プロダクトの開発や新しい市場開拓のための資金として

2,000万円~5,000万円規模

の資金が必要になる場合があります。しかし、起業直後のベンチャー企業は金融機関から融資を受けるのはかなり難しいでしょう。そもそも銀行などの金融機関の融資は「決算書」や「売上実績」などが審査に必要です。起業したばかりの企業に融資をするのは貸倒れになる可能性が高いため、まず審査に通らないのです。

アーリーステージのシードラウンドに融資が使えない。ではどのようにしてアーリーステージのシードラウンドをすれば良いのでしょうか?

アーリーステージでシードラウンドする方法

融資を受けられないからといって、シードラウンドを諦めることはありません。

融資以外のシードラウンドをいくつかご紹介します。

自身の起業資金

起業前に自身で貯蓄した資金を充てることもシードラウンドです。

ただし、アーリーステージでのシードラウンドは数千万円規模の資金が必要になるため、簡単に自己資金を充てるというのはあまり現実的ではありません。

ただでさえ起業の段階で設立費用を使うことになるため、よほど自己資金に余裕がない場合は他の方法を検討した方がよいでしょう。

家族や友人といった筋からの資金提供

家族や親戚、友人といったところに頼み込んで資金を得る方法も1つの手段です。銀行の融資と違い、利子が発生しない(金額や関係性にもよる)というメリットがあります。

ただし、家族や親戚が事業をしているならともかく、普通の企業へ勤めているようであれば、そこまで高額の資金提供は見込めないことを頭に入れておくとよいでしょう。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、起業して間もない会社に対して将来的なリターンを見越して投資をしてくれる富裕層の投資家を指します。

投資してもらう見返りとして、自社の株式や転換社債といった利益率の高い有価証券を求められることもあるでしょう。それでも高額な資金を投資してもらえるのはアーリーステージの会社にとっては大きな武器になります。

ベンチャーキャピタル

エンジェル投資家は個人です。対してベンチャーキャピタルはベンチャー企業への投資を専門にした会社です。ベンチャーキャピタルもエンジェル投資家同様、投資した会社から高いリターン(見返り)を求められます。

エンジェル投資家はベンチャー企業にかかわらず、さまざまな会社を対象にしているのに対して、ベンチャーキャピタルはベンチャー企業を専門にしています。つまり、新しい市場価値を見いだせるビジネスであれば、高い確率で投資してもらえる可能性を秘めているといえるでしょう。

補助金

地方自治体の補助金にはベンチャー企業のような、新しい市場開拓を行なう会社に対する補助金を提供している場合があります。すべての地方自治体で行なっているわけではありませんが、大きな都市であれば新創業支援などですでに支払った経費に対して補助金を出してくれるケースもあるのです。

市役所や町村役場だけではなく、会社の住所地にある商工会議所などでも補助金の申請や相談ができるため、アーリーステージでのシードラウンドを模索しているのであれば、まずは情報を集めてみることをオススメします。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、行政が主体となって運営している中小企業への融資を専門にしている機関のことです。ベンチャー企業に対しても融資を行なっています。金融機関やノンバンクの金融会社で提供している融資に比べて年利が低く、融資上限額も高いというメリットがあります。

融資を受けるには相応の審査に通らなければなりません。事業計画書や返済計画書などをしっかりと準備してから申し込みするとよいでしょう。

その他の資金調達方法

その他の方法で筆頭に上がるのがクラウドファンディングです。アーリーステージは起業後のプロダクト開発やサービス開始に必要な資金を集める期間です。実際に販売する前にインターネット上で少額投資を募ることも1つの方法といえるでしょう。

参照 事業者のための11の資金調達方法

 

参照 資金調達方法は意外と沢山ある!?事業者のための28の資金調達方法とメリット・デメリット

 

アーリーステージでのシードラウンドはベンチャー企業にとってもっとも重要な期間

アーリーステージでのシードラウンドは、起業したベンチャー企業が最初のプロダクト開発やサービス開始のクオリティを決める重要な期間です。融資に頼れないアーリーステージだからこそ、さまざまな方法のシードラウンドを検討しなくてはなりません。

エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから運よく投資してもらえれば問題ありませんが、もし縁がなかった場合には他の方法を模索する必要があるでしょう。まずは自社のアーリーステージでいくらの資金が必要なのかを明確にし、その上で必要な資金調達手段を選ぶことをオススメします。

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株式会社デキタ 渡邉
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。