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資金繰り表のテンプレート例に沿って自分の会社に適した資金繰り表を作ろう!

資金繰り表 資金調達で利用する専門用語
 
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資金調達で悩む前に、まずは自分の会社の資金繰りがどのように動いているかを把握することが大事でしょう。その役割を担うのが「資金繰り表」になります。

資金繰り表とは会社や組織が運転資金の管理を行う際、現金の過不足を見やすくした表のことです。決まった書式がなく、会社や組織ごとに使いやすい資金繰り表を運用するのが一般的です。

今回は、資金繰り表の作り方をテンプレート例に沿って解説していきます。自分の会社に適した資金繰り表作りの参考にしてください。

参照 事業者のための11の資金調達方法

 

資金繰り表の目的

資金繰り表の目的は「突然の資金ショートによる倒産などの事態を防ぐこと」です。作らなくても問題はありませんが、作っておくことで

  • 現金収支の分類・集計
  • 現金収支の動き
  • 現金過不足の実態

などを把握できます。中小企業庁でも資金繰り表の運用は推奨されています。

資金繰りとは現金の出入り(収支)をチェックし、事業資金が不足しないよう調整することです。帳簿上儲かっていても、支払いに回す資金が不足してくると資金繰りは苦しくなります。資金繰りが苦しくなる原因は主に次の点にあります。

・売上げがあっても長期の回収条件であったり、受取手形での回収となり、すぐに 現金化できない。
・借入金の返済など、費用として計上されない現金での支出が多い。
・ 売掛金の回収が長期の条件に変わったり、買掛金の支払期間が短くなったりして、回収と支払いのバランスが崩れる。

資金繰りを上手に行うためには、運転資金にゆとりを持つことが肝要です。
次のような資金繰り表で運転資金の不足を事前にチェックしましょう。

資金繰り表

参照 資金繰り表について教えてください(中小企業庁)

 

資金繰り表には、「資金繰り予想値」と「資金繰り実績値」が必要となります。資金繰り実績値のデータを元にして資金繰り予想値を算出します。

資金繰り表を作成することで、資金繰りの悪化にいち早く気づけるようになり、自社の運転資金を確保するための資金調達に素早く対応できるようになるのです。

資金繰り表の作り方

資金繰り表に決まった書式などはありません。どんな色やフォントを使っても問題ありません。もっとも重要なのは「収入と支出の推移がわかりやすく確認できること」です。

上記のことを踏まえて、簡単なテンプレートを例にして解説していきます。

項目対象月
前期からの繰越金〇月
経常収支経常収入
(現金売上、売掛金、手形)
経常支出
(現金仕入、買掛金支払、手形決済、人件費など)
経常収支-経常支出
経常外収支経常外収入
(本業とは異なる収入)
経常外支出
(本業の仕入れや経費以外での支出)
経常外収支-経常外支出
財務収支財務収入
(資金調達などの借り入れ、助成金や補助金、売却などでの収入)
財務支出
(借入金の返済)
財務収入-財務支出
翌月への繰越金

今回紹介している資金繰り表は簡略化したものです。

資金繰り表はインターネットで探すと色々見つけることができますし、作ろうと思えば簡単に作ることができます。

また資金繰り表には多くの専門的な言葉が出てきます。ある程度理解しておかなければ、どこに何を入力したらよいのかわからなくなってしまうことでしょう。ここからは資金繰り表に出てくる専門用語を紹介したいと思います。

経常収支 経常収入と経常支出

経常収支とは、会社のメインとなる仕事におけるお金の出し入れのことです。一般的には営業キャッシュフローとも呼ばれています。

経常収支の収入

「経常収支の収入」とは「入ってくるお金」ということです。例えると以下のような項目が挙げられます。

経常収支の収入 例
  • 現金売上
    商品やサービスを提供して受け取った現金の総額
  • 売掛金
    売掛金の入金金額
  • 手形
    手形が期日通りに振りこまれた金額の総額
  • その他収入
    営業外収支、雑収入など

参照 手形とは支払い手段の1つ わかりにくい手形取引を簡単に解説

 

経常収支の支出

「経常収支の支出」とは、「出ていくお金」ということです。例えると以下のような項目が挙げられます。

経常収支
  • 現金仕入
    商品などを現金で仕入れた場合の金額
  • 買掛金現金支払
    買掛金を支払った金額
  • 手形決済
    手形による支払いが決済された金額
  • 賃金給与
    給与支払い金額
  • その他経費
    その他の経費
  • 支払利息・割引料
    利息金額や手形割引時の割引料(手数料)など

会社を経営する上では、この「出ていくお金」が必ず発生します。仕入れも従業員も必要不可欠です。ということはお金がかかるわけです。これが「出ていくお金」であり「経常収支の支出」に当たるわけです。

 

会社の目的は利益を上げること。利益を上げるためにはお金を使うこと。
事業を行うということは利益を上げるということだ。その利益は入ってくるお金であり、入ってくるお金を得るためには出ていくお金が必要となる。
つまりこれが「経常収支の収入と支出」に当たる。

 

経常外収支

経常外収支とは、本業以外で入ってきた収支のことを言います。もう少し具体的に言うと、常日頃から入ってくるお金や出ていくお金とは違ったもののことです。

たとえばハンバーガー屋であれば、ハンバーガーを売ること、ハンバーガーの材料を仕入れることが常日頃のお金の流れです。これは「経常収支」に該当します。

ところが、ハンバーガーを作る機材を購入したり、ハンバーガー屋が持つ不動産を売却するなど、普段の商売とは関係のないところで発生するお金の出し入れが「経常外収支」に該当するのです。

経常外収支の収入

経常外収支の収入には以下の項目が挙げられます。

  • 補助金
  • 設備の売却で得たお金
  • 保険の解約で得たお金
  • 定期預金の解約金
  • 銀行預金の金利、配当金
  • 不動産の売却で得たお金

通常の業務では発生せず、数ヶ月や数年に1度、発生するような収入であることが分かると思います。

注意したいこととしては、経常外収入と営業外収入は別物という点です。

営業外収入とは、株式の配当金や有価証券の売却額などがあります。有価証券への投資に使用した金額は経常外支出として計上し、投資した資産を売却した場合は経常収入として計上することになるのです。

経常外収支の支出

経常外収支の支出には以下の項目が挙げられます。

経常外収支
  • 税金の支払い金額
    法人税などの支払い金額の総額
  • 役員賞与配当
    役員賞与の金額※役員給与とは別で、役員給与は経常収支の支出「賃金給与」に含まれます。
  • 固定資産等の購入支払金額
    固定資産を購入して支払った金額※手形による支払いは除く
  • 固定資産等の購入支払手形決済金額
    固定資産の購入時に手形による支払いを選択し、その金額が決済された総額

参考データとしては

  • 固定資産等の購入支払手形決済金額

なども記録しておくと良いでしょう。

業界によっては数年ごとに高額な設備などを購入するケースもあります。前年に大きな金額の設備を購入していた記録があるならば、資金の流れを確認するために参考データとして残しておくことをオススメします。

財務収支

財務収支とは、財務活動による収入と支出のことです。

財務活動とは、借入や増資、社債の発行といった会社の財務に関連した活動のことです。財務収支は財務キャッシュフローとも呼ばれています。注意すべきは

  • 借入して資金調達をすれば収入として計上する
  • 返済をすれば支出として計上する

という点です。

借金が増えるため、ある意味では支出とも考えられますが、記録を残す月ごとに推移を把握するのが目的のため、借入であってもプラス収入として計上する必要があるのです。

返済を支出で計上するのも同じ理由になります。負債が減るという観点でみるとプラス収入として計上しても良さそうですが、当月の支出であるため、マイナス支出として計上します。

財務収支の収入

財務収支の収入には以下のような項目が挙げられます。

  • 長期借入金の調達
    長期で借入を行ない、資金調達をした金額
  • 短期借入金の調達
    短期で借入を行ない、資金調達をした金額
  • 定期預金の取り崩し
    定期預金を取り崩した金額
  • 増資
    増資として入金された金額

定期預金として入金すると、満期になるまでそのお金は資金として使用できません。

そのため定期預金に入金した金額は財務収支上の支出、満期での引出しを含み、途中で取り崩した金額は財務収支上の収入として計上します。

財務収支の支出

財務収支の支出に関しては以下の項目が挙げられます。

  • 長期借入金の返済・・・長期借入金の返済金額
  • 短期借入金の返済・・・短期借入金の返済金額
  • 定期性預金の預入・・・定期預金で入金した金額

資金繰り表を作ってみよう

上記の収支内容を加味して実際に資金繰り表を作成してみましょう。作成手順は次の3ステップです。

それぞれのステップごとに注意すべきポイントを解説します。

売上高予想値と仕入・外注費を算出して入力する

1月2月3月4月5月
売上高620560620660700
仕入・外注費186168186231245

売上高のベースになるのは前年同月の売上高です。そこに直近の対前年対比を加味して売上高予想を立てて行くのが一般的です。

仕入・外注費も売上高予想と同じように前年同月の数字をベースにしています。ただし、為替の影響などがある業界の場合は、予想を大きく上回る数字になる可能性もあるため、実績値に合わせて修正をしなければなりません。

また、月によって売上高は常に一定ではありません。1月と3月、5月は31日間あり、2月は28日~29日、4月は30日しかないため営業日数分の売上高が変わります。また、5月のGWシーズンや4月の新入学や新入社シーズンでも売上高予想は変わるのが普通です。

経常収支・経常外収支・財務収支の収入と支出の予想値を入力する

経常収支・経常外収支・財務収支の収入と支出の予想値を入力します。これも前年をベースにしますが、もし今年度に大きな固定資産を購入する予定がある場合や、長期借入による資金調達を予定している場合には、その金額を入力しておくと良いでしょう。

資金繰り表にコメント欄をつけておいて、どうしてその金額になるのかを記入しておくと資金の流れが把握しやすくなります。

各月の翌月繰越金と当座預金を確認する

売上高と仕入・外注費、そして経常収支や経常外収支、財務収支を入力したら、最終的に導き出される「翌月繰越金(⑩)」と「当座預金残高」の合計金額を確認しましょう。

資金繰り表を作成した段階でマイナスになるということは

資金がショートしている = 倒産

を意味しています。

資金繰り表はあくまでも予定ですが、その予定の段階で倒産してしまっては資金繰り表の意味がありません。それぞれの数値や計算に間違いはないのかを確認しましょう。

資金調達の予定や支出の計画などの見直しを含めて、資金繰り表をすべて「黒字」にしなければ、正しい資金繰り表の運用もできないのです。

参照 支払手形や小切手での支払いは当座預金口座が必要 当座預金の仕組みとは?

 

資金繰り表を活用すれば迅速な資金調達が可能になる

資金繰り表はあくまでも「資金繰りを把握しやすくするためのツール」です。

資金繰り表は活用されてこそ、本来の目的を果たせます。資金ショートになる前に素早く資金調達をすることで、会社の資金繰りを安定させるのです。

資金ショートが起こってから資金調達をするのと、起こる前に資金調達をするのでは、資金調達の難易度が格段に違います。資金ショートしている場合、銀行などの融資を申し込んでも断られてしまう可能性もあります。自社の資金繰りを把握して、素早く行動することが経営者として重要になるのです。

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