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動産担保融資は売掛金や在庫を担保にして資金調達可能 赤字決済・債務超過でも融資対象に

動産担保融資で資金調達 事業者のための11の資金調達方法

動産担保融資とは、「持っている流動性のある資産を担保として融資を受ける資金調達方法の1つ」です。ABLと言われたりもします。

「流動資産担保融資」、「売掛債権担保融資」、「債権担保融資」というサービスもありますが基本的には同じものという感覚でとらえてもらってよいでしょう。また「売掛債権担保融資保証制度」といったものもありますが、やはり似たものと考えてよいです。

いろいろあってよく分からなくなってしまいそうですが、共通することとして「流動性のある資産を担保とし融資を受ける」ということです。

流動性のある資産とは、1年以内に現金化することのできる資産ということです。たとえば売掛債権であったり、商品在庫であったりが対象となります。対比した言葉で固定資産がありますが、これは1年を超えて使用したり長期保有する資産となります。

一般的に融資というと担保を用意しなければならないと思われがちです。そして担保というと「不動産」を連想するかと思います。しかし誰もが不動産を持っているわけではありません。そこで不動産以外の資産を担保にして融資をうけるというのが、動産担保融資なのです。

ここでいう不動産以外の資産というのは、売掛債権や商品在庫、社用車などのことを指します。これらを担保にすることで融資を受けることができるのです。

 

動産担保融資
会社の持ち物を担保にし融資を受けるのが動産担保融資だ。極端な話、「売ることができ現金化することができるもの」であれば担保になる可能性があるのだ。
そのため、思ってもみないものを担保にできる可能性もある。


 

動産担保融資と似たサービスが沢山ある 流動資産を担保にする点では同じもの

動産担保融資を取り扱っている金融機関は数多くあります。ただし同じ名前だったとしても、サービス内容が若干異なることがあります。

ただ言えることは、どこで扱っている動産担保融資のサービスも、基本的には流動性のある資産を担保にするといった点では共通しています。

一言で流動性のある資産と言っていますが、代表されるものとしては「売掛債権」となります。そのため売掛債権のみを担保の対象としているケースもあります。

ここで紹介するのは、あくまでも一般的な動産担保融資の説明とさせていただきます。

冒頭でもお話ししましたが、まず抑えておいてほしいのは「動産担保融資とは、会社の持ち物を担保して融資を受けることができる可能性のあるサービスである」ということです。

動産担保融資の凄さ 価値さえあれば何でも担保になる可能性アリ!

動産担保融資の凄いところは、流動性があり価値のあるモノであればなんでも担保とすることができるという点です。

流動性のあるモノとは以下のようなモノを指します。

担保にできる資産(例)
  • 売掛債権
  • 商品在庫
  • 設備
  • 原材料
  • 家畜
  • 農産物

「え?そんなものまで?」と思うものまで担保にできる可能性があるのです。事業を行っていれば、少なからずこれらに該当する何かしらを持っていることかと思います。つまり担保にできる何かしらを事業者であれば持っているはずなのです。

動産担保融資の難しいところ 担保の価値が分かりづらい

動産担保融資は価値のあるモノであればなんでも担保にできる可能性があります。

しかしその「価値」という点が問題となります。価値があるかないかを判断するのは、融資する側なのです。

価値を明確に判断できるもの できないもの

売掛債権を担保にする場合、その価値は簡単に数字で表すことができます。たとえば100万円の売掛債権を持っているとすれば、100万円ほどの価値になることは容易に判断が付きます。

ところが商品在庫や設備、さらには家畜、農産物となってくると、それらの価値を適切に見極めることが難しくなってきます。

たとえば事業者側からすると「1000万円の価値がある」と思っているものでも、融資実行側にしてみると「500万円分の価値」と判断される可能性があるのです。

ちなみに動産価値を評価する会社があります。動産担保融資を行っている金融機関や会社は、動産価値を外部会社に依頼するケースが多いです。

参照 日本動産鑑定

 

 

動産評価はどうなるのかは評価してもらわなければ分からない。
会社の持つ資産が、実際にはどのくらいの価値になるのかは評価してもらわなければ分からない。
事業者がどんなに主張をしたとしても、客観的に判断される。


 

動産担保融資は3つの契約形態が存在する

動産担保融資には3つのタイプの契約形態があります。「2社間」「シンジケート」「保証協会付き」です。

2社間

融資を受ける会社と、融資をする金融機関が1対1の関係のケースです。

これが一般的な契約形態でしょう。

シンジケート

融資を受ける会社に対し、融資をする金融機関が複数あるケースです。

保証協会付き

融資を受ける会社が信用保証協会に対し、担保の保証をお願いします。その上で金融機関から融資を受けます。

 

動産評価はどうなるのかは評価してもらわなければ分からない。
動産担保融資で利用される一般的なものは「2社間」と「保証協会付き」だろう。


 

参照 売掛債権担保融資保証制度(中小企業庁)

 

信用保証協会が担保保証してくれた方が、金融機関は安心することができます。なぜならもし事業者が返済できなくなってしまった場合には、担保保証をしてくれた信用保証協会が金融機関に対し代わりに返済(弁済)してくれるためです。

資金調達の中でも柔軟な融資制度

動産担保融資は、数ある資金調達の中でも柔軟性のある融資サービスといえます。

会社にある資産で資金調達可能

動産担保融資の大きなメリットは、「会社にあるものを利用して資金調達が可能」となる点です。

今までの一般的な融資であれば、担保として不動産を要求されました。しかしだれもが不動産を保有しているかというとそんなことはありません。持っている方が少数派でしょう。

しかし不動産を持っていなかったとしても、会社にある資産を担保にすることが可能となります。

予定入金日よりも早めに現金化

売掛債権(売掛金)も担保とすることができます。売掛金は支払日にならなければ基本的には支払われません。

その支払い日が、数ヶ月先になってしまっているケースはよくあることです。その数ヶ月を絶えることができなくて黒字倒産してしまうケースはよくある話なのです。

そのような時は売掛債権を担保にして融資を受けることで、支払日を待たずに現金を手にすることができます。つまり資金繰りの方法として活用することができるのです。

赤字決済や債務超過でも可能性あり

基本的に融資といえば、融資する側が融資を受ける側の状況を審査します。

融資を受けるときの審査項目(例)
  • 今までに借金返済のトラブルはなかったか?
  • 赤字決済や債務超過など、会社の経営状況はどうか?

上記した2つの内容は、通常の融資を利用する場合には、真っ先に確認されることでしょう。もし問題があった場合には、審査に通過するのは難しくなってきます。

ところが動産担保融資の場合には、会社や事業者のことよりも「担保となる会社の資産」が審査の焦点となります。つまり価値のある担保があれば良いのです。よって多少借金関連のトラブルがあったとしても、赤字決済で債務超過の状態であったとしても、利用できる可能性はあるのです。

流動資産を担保にするのは問題が発生する恐れも

動産担保融資のは柔軟性があり、資金繰りに困る事業者の助けになってくれる金融サービスです。それ自体は間違いのない事実です。

ただし1つ懸念材料があります。それは「会社の資産を担保にする」ということです。つまり担保となった資産は会社のもののようであっても、会社のものではないのです。なぜなら担保となった資産は所有権が登記されてしまっているためです。つまり金融機関のものとなっているわけです。

融資してもらったお金が返済できれば、再び所有権は戻ります。しかしそれまでは金融機関の持ち物となってしまっているわけです。

たとえば会社の設備機器を担保としたとします。いつものように会社で使用しているのにもかかわらず、その所有者は銀行なのです。銀行側としてみれば、自分の持ち物を使わせている状態となっているわけです。

所有権がないため常に情報はオープンに ある意味監視される状態

そのようなことからも、常日頃から銀行に対して経営状況の情報をオープンにしておく必要があります。表現方法を変えると監視されている状態に近くなるのです。

もし返済が滞ってしまったり、できなくなってしまった場合。担保にした設備が取られてしまう可能性は十分に考えられます。それが担保というものです。すると会社を継続するのは難しくなることでしょう。

このため、会社を経営する上で主要となる資産を担保とすることは、危険な行為でもあると考えられます。

 

金融機関に対し情報公開や報告をしなくてはならないのが意外と厄介。
計画的に返済さえできれば問題ない話だ。とはいえ、貸し手である金融機関に対しては情報公開や報告をしなくてはならなくなる。これが意外と厄介だ。

 

売掛債権担保融資であれば比較的安全

動産担保融資は、価値のある資産を担保として融資を受けることができますが、懸念材料があるというお話をしました。

懸念材料があるのですが、「売掛債権」を担保にした「売掛債権担保融資」であれば、比較的安全といえるでしょう。

売掛債権を担保にするのは悪くない

売掛債権は売掛金ということであり、将来的に会社に入ってくる売り上げです。通常であれば、支払日にならなければ支払われないものですが、売掛債権担保融資を利用することで、早めに売り上げを手にすることができます。

これにより売掛債権の回転率が向上し、会社の資金繰りが良くなります。

参照 売掛金の回転率とは債権回収効率を示す指標

 

また返済に関しても、担保とした売掛債権が入金される予定ですので、返済の目途が立っているわけなので、わざわざ資金調達をする必要がありませんし資金調達に悩む必要もありません。

さらに売掛債権を担保にするということは、その価値も適切に判断されやすいメリットがあります。

登記されてしまうのがデメリットではあるが・・・

ただし多少なりとも不都合なことが発生します。売掛債権担保融資を利用する際には、譲渡担保登記を行うこととなります。つまり「売掛債権は譲渡されました。」と登録されるということです。実はこの登記情報ですが、閲覧することが可能です。つまり誰でも見ることができるのです。

これにより誰でも登記されている債権を閲覧することができてしまいます。そのため取引先に債権が譲渡されていることを知られてしまう可能性もゼロではありません。

債権が譲渡されているということは、資金繰りが悪化しているということに繋がり、それを知られてしまうことは取引先との関係に問題が発生する可能性があります。

とはいえ、現実的には登記されている債権を調べる事業者はほとんどいないため、あまり心配しなくても良いとされています。

まとめますと、動産担保融資を活用するのも1つの方法ではありますが、売掛債権を持っているのであれば、売掛債権担保融資を優先的に選んだ方がリスク的には低いと思います。

ただしもし大きな金額の資金調達をしたい場合で、売掛債権がそれほどの価値を持っていないということであれば、会社の設備や在庫などを担保にすることを検討してもよいかもしれません。その場合も、赤字決済や債務超過など、一般的な銀行融資の審査に通らない場合の話です。もし通常の銀行融資を選択できるのであれば、それに越したことはありません。

参照 銀行融資で資金調達

 

売掛債権担保融資 vs ファクタリング どちらも債権を利用した資金調達

売掛債権担保融資とファクタリングは、売掛債権を利用して資金調達をすることであるためよく比較されがちです。

売掛債権担保融資は、持っている売掛債権を担保とし融資を受けるものです。一方ファクタリングは、持っている売掛債権を譲渡(売却)し資金調達するものです。

どちらにもメリットデメリットはあります。

売掛債権担保融資ファクタリング
審査厳しめ緩い
スピード2週間から1ヶ月前後即日~
手数料比較的低め高め
扱い融資譲渡
債権不良化弁済の必要あり
(信用保証協会を間に入れていればその限りではない)
弁済の必要なし
(償還請求権ナシのため)

互いに売掛債権を利用した資金調達方法ではありますが、かなり違いがあることが分かると思います。

審査に時間がかかる VS 早ければ即日

売掛債権担保融資の場合、相手が金融機関となります。そのため審査は時間をかけじっくり行われます。

ところがファクタリングの場合はスピード重視であり、債権が本物と判断できることが重要となります。そのため審査自体にあまり時間をかける必要がありません。

手数料は大きく違う

次に手数料ですが、金融機関のサービスは基本的にどれも手数料は低くなります。それは厳しい審査をパスしたからこそ与えられる恩恵といってもよいかもしれません。

ファクタリングの場合はファクタリング会社の抱えるリスクが大きく手数料が高くなりがちです。ファクタリング会社の抱えるリスクというのは、貸金業ではないため担保や保証人が取れないこと、償還請求権がないことです。

時間に余裕があるなら銀行 今すぐならファクタリング 

これらのことからも、審査にある程度時間を取られても問題ないということであれば、金融機関のサービスを利用してみても良いと思います。

ただしすぐに資金調達をしたいと考えており売掛債権があるのなら、ファクタリングは有力な資金繰りの1つです。

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