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売掛金が回収できないのは個人事業主だから?売掛債権回収をフリーランスが行う方法

どんな業種が売掛金問題に巻き込まれやすいか? 売掛金問題の解決方法と予防策

せっかく売上が発生したとしても、多くの場合にはすぐに支払われることはありません。ほとんどの取り引きは後日払いなのです。確実に支払ってもらえれば問題はありませんが、個人事業主が売主の場合、舐められてしまって期日に支払ってもらえないことも。

個人事業主でも法人でも、発生した売掛金は回収しなければいけません。しかし企業によっては個人事業主だからと支払いをしてくれないケースもあるのです。

このような時取るべき対処法は限られてきます。1つは法律にのっとり回収を行なう、もう1つは売掛金をもらう権利を売却するです。

なぜ個人事業者が売掛金問題に巻き込まれるのか?

なぜ個人事業者が売掛金問題に巻き込まれるのか?
個人事業主の売掛金問題が多い業種として「クリエイティブ」な分野が挙げられます。個人事業主として売掛金を回収するためには「回収する or 回収を依頼する」もしくは「売掛金を売却する」の方法があります。

 

A社長
外注でお願いしているライターさんが、他の会社から執筆料を支払って貰えないことで悩んでいるようです。どうしたらいいですか?

B社長
そのライター個人事業主か?
A社長
はい。数年前にライター業で起業しています。
B社長
最近、個人事業主の売掛金問題が多くなっている。
A社長
私たちみたいな法人だけではなく、個人事業主も問題になってるんですか?
B社長
特に多いのが売掛金の回収不能だ。

 

そもそもどうして個人事業主は売掛金問題に巻き込まれるのでしょうか。大きな原因としては「個人事業主だから」という理由で取引先企業から軽視されていることが原因です。言い方は悪いですが、個人事業主、つまりフリーランスが抱えている売掛金問題はパワハラ的な背景があるのです。

個人事業主が売掛金問題に巻き込まれる具体的な原因を挙げていきます。

契約書がない

法人同士の掛取引の場合、必ずといっていいほど「契約書」を作成します。もし万が一双方にトラブルが発生し、損害を被った際に訴訟などが起きた場合のリスクマネジメントとしても契約書の作成は重要視されるのです。

個人事業主の場合、契約書ではなく口約束やインターネットのメール、SNSのメッセージなどで仕事を依頼されることが多いです。そのため、契約書らしい契約書の発行は、商品やサービスの納品後などに交わされるケースも少なくありません。

 

A社長
昔は契約書って無かったですよね。父の代ではほとんどの仕事が口約束だけだったと聞いた覚えがあります。

B社長
日本の法律では、口約束でも契約書の代わりになるとされる。海外では考えられないな。

A社長
日本の企業は未だに契約書無しの仕事をしているのですか?

B社長
業種によって、人によってだな。

A社長
結果的にその慣習が売掛金問題につながっているんですね。


 

個人事業主が法人と取引を交わす際には、必ず契約書を作成することが重要なのです。たとえ金額がいくらの取り引きであろうと。

支払いの優先順位が低い

法人と取引を行なっている場合、自分だけとしか取引をしていると思わないでください。他の個人事業主はもちろん、他の法人とも取引をしています。

支払いはどの取引先にもされますが、場合によっては支払いの優先順位が付けられていることがあります。そのため、優先順位の低い場合には、支払いが遅れたり、催促されるまで支払ってもらえないケースもあるようです。支払いの優先順位は2つの要因によって決められている場合があります。

支払の優先順位が低くなる要因
  • 取引額
  • 取引量

取引額が他の法人よりも低い

個人事業主は法人のように会社機能を持っている所もありますが、基本的には「個人=1人」です。取引される金額も法人より低い場合がほとんどです。

プログラミングなどの仕事単価が高い業種の個人事業主であれば別ですが、数千円~数万円の取引額だと支払いの優先順位を下げられてしまう可能性があるのです。

取引量が他の法人よりも少ない

取引額も重要ですが、取引で引き渡す「量」もポイントです。

個人事業主がモノやサービスを提供できる「量」は限られています。他の個人事業主グループや法人が納品する量が自分よりも多い場合、取引量が多い方に支払いの優先順位を向ける可能性が高いです。

 

B社長
納品数が少ない。つまりインパクトが低い。これにより個人事業を軽視してくる可能性がある。

 

どんな業種が売掛金問題に巻き込まれやすいか?

どんな業種が売掛金問題に巻き込まれやすいか?
個人事業主と一口にいっても様々な業種があります。売掛金問題に巻き込まれやすい業種としては「クリエイティブ分野」が挙げられます。クリエイティブ分野の個人事業主とは

クリエイティブ分野の業種
  • デザイナー(Webデザイナー含む)
  • カメラマン
  • ライター(Webライター含む)
  • コンサル業
  • エンジニア

などが挙げられます。この中でもエンジニアは仕事単価が高いこともあり、売掛金問題に巻き込まれないとも思われがちですが、実際に納品した後に代金を支払ってもらえないこともあるようです。

デザイナーやライターのような紙媒体で納品の確認ができれば、納品したしないといった大きな問題になりません。しかしWebデザイナーやWebライターの場合は、納品した仕事の完了タイミングによって対価を支払ってもらえなかったり、聞いていた入金日と異なったりなどの問題が起こっているのです。

主にどのような問題が起こっているのかをケーススタディで見ていきましょう。

納品後ではなく支払日が近くなってから修正作業が発生する

WebライターやWebデザイナーは記事やデザインを納品すると、取引先からチェックが行なわれます。これを修正作業といいます。修正作業も完了した段階で「校了」や「納品済み」となり報酬が発生するのが一般的な契約です。

しかし、この報酬が発生する状態を先延ばしにされることで、代金の支払いを引き延ばされてしまうこともあるのです。悪質な場合だと、代金の支払日直前や支払日が過ぎて催促をした段階で修正作業が発生するケースもあります。修正して完全な状態の記事やデザインが納品されるまでは報酬発生の状態にならないため、代金の受取が遅くなってしまうのです。

支払条件を後出しで伝えられる

本来ではあれば、納品済みの段階で報酬発生条件を満たすはずなのに、サイトにアップ後や最初の売上が発生してから支払いをしますなど、後出しで支払条件を伝えられるケースもあります。

個人事業主は法人と違って「報酬=運転資金」でもあり生活資金です。そのため、支払条件の変更は生活にも影響を与えます。また、報酬確定をしないと、新しい案件確保のための営業活動などにも大きな影響を与える場合があります。

決済処理をしてもらえない

仕事を仲介サイトから受けている個人事業主にとって、仲介サイト上の決済処理をしてもらえないのは売掛金問題に直結します。仲介サイトで決済をしてもらえなければ、サイト上での売掛金が発生しません。

最近ではサイトの管理会社側で納品後の連絡期限や決済処理の期限などが厳しく設定されるようになりました。しかし、サイト上の締め日を越えた場合は報酬が手に入るタイミングが遅くなってしまうことに対しての対策は立てられていません。

フリーランスクリエイティブ分野の売掛金問題は取引先だけではなく、仲介サイト側に対しても対策を立てなければならないのです。

売掛金問題が起こった際の解決方法

売掛金問題が起こった際の解決方法
売掛金問題が起こった際、個人事業主としてとれる方法は「法的措置」をとることです。もちろん、納品した商品やサービスに不具合やミスなどがある場合は、法的措置として訴訟を起こしたとしても勝てる見込みはありません。また、訴訟に勝てる可能性があったとしても、裁判が長引く可能性もあるのです。

もう1つの方法は「売掛金を第三者に売却してしまうこと」です。ファクタリングと言われている金融サービスを利用します。ファクタリングは売掛金を専門に買い取ってくれる「ファクタリング会社」へ売却して資金を得る方法です。

手数料は発生しますが、支払期日前に売掛金を現金化できるメリットもありますし、なによりも確実に現金を手に入れることができるといったメリットが大きいです。

以前は個人事業主のファクタリングを行なっている会社はあまりありませんでした。しかし働き方改革で、多くの個人事業主が副業などで起業したこともあり、徐々に個人事業主でもファクタリングを利用可能な業者が増えているのです。

個人事業主が売掛金問題に対処するためには、問題が発生する前に問題が起こった後のことを可能性としてでも考えておくこと、調べておくこと、用意しておくことが大切なのです。

個人事業者が売掛金問題に巻き込まれないためにできること

個人事業者が売掛金問題に巻き込まれないためにできること
個人事業者が売掛金問題に巻き込まれないためにできることは主に次の3つです。

それぞれの対策方法の詳細を解説します。

契約書を作る

商品やサービスの納品から報酬の受取までの流れなどが明記されている契約書を作成します。契約書の書式などは分野によって異なりますが、基本的には

契約書記載内容の基本
  • 業務範囲
  • 価格や料金(報酬)
  • 検品や検収
  • 修正対応
  • 瑕疵責任
  • キャンセル料
  • 仕様書の変更
  • 納品後の対応
  • 著作権
  • 秘密保持
  • 不可抗力

これらのことを取引先と合意しておく必要があります。分野別に契約書のテンプレートなどが書店やインターネットでも検索できます。取引先が用意していない場合は、こちらから契約書の原案を作成して提出しておくと良いでしょう。

前金をもらう

分野によっては商品やサービスの提供に経費が発生するモノもあります。また、取引額が多い場合などは着手金のような名目で「前金」をもらっておくことも対策として有効です。

コミュニケーションの記録を取っておく

売掛金問題で訴訟が起こった際、メールやSNSのメッセージでも記録が無ければ裁判の証拠として武器になりません。どんな媒体であれ、売掛金問題の相手とのコミュニケーション記録は必ず保管するようにしてください。

もし売掛金問題が起こった場合はまずは内容証明を送る

もし、売掛金問題が起こった場合、まずは内容証明を送って支払いを催促してください。内容証明とは、郵便局から送る督促状のような効果を持つ書類です。法的な拘束力は裁判所からの命令書よりは低いですが、文書の内容を法的に証明する書類でもあります。

訴訟が起こった際には、内容証明の有無で勝ち負けが左右されるケースもあります。売掛金問題の場合は、売掛金の支払督促をそのまま記載してOKです。書き方などは分野ごとで異なりますが、書く内容としては

内容証明に必要な記載内容
  1. 記載日
  2. 相手先の住所・氏名
  3. 送り主の住所・氏名・印
  4. 内容
  5. 金額
  6. 遅延損害金(契約上発生している場合)

などを記載します。文章には

内容証明必要な文章内容
  • 納品した日付
  • 元々の支払日
  • 催促の有無

これらを記載します。

送る方法は郵便局に正しい方式で作られた内容証明を持っていき、郵便局内でチェックを行ってもらってから発送になります。書き方が間違えていたら書き直しとなります。内容証明は自分用の控え、取引先、郵便局保管分の3部を作成してください。郵便局で受理印を控えに押してもらい、大事に保管してください。

参照 内容証明について(郵便局)

 

個人事業主だからこそ売掛金問題対策は必須!

個人事業主だからこそ売掛金問題対策は必須!

個人事業主は法人に比べて売掛金問題が起こりやすい事業形態です。法人であれば、法人用の弁護士などが対応していますが、個人事業主は自分で全てを判断して行なわなくてはなりません。

 

B社長
個人事業は法人と比べれば規模は小さい。そのため軽視する会社も少なくない。会社にとってはたかが10万かもしれないが、個人事業にとってみれば大きな金額だ。
だからこそ売掛金は必ず回収しなければならない。もし売掛金のトラブルが発生しても、事前に契約書を交わしていた李、債権の回収方法、売却方法を知っていればダメージを軽減することができるだろう。

 

弁護士を依頼するのも経費が必要です。売掛金問題が事業の継続などに大きな影響を及ぼす前に、自分自身で対策を取っておくことが重要なのです。

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