完成工事未収入金が回収不能に!正しい対処方法とトラブル対策で会社を守ろう!
   

完成工事未収入金が回収不能に!正しい対処方法とトラブル対策で会社を守ろう!

完成工事未収入金が回収不能に!正しい対処方法とトラブル対策で会社を守ろう! 売掛金

「完成工事未収入金」とは、建設業会計の処理上で、一般的な「売掛金」とおなじ意味で使われる言葉です。ということは、売掛金問題とおなじような問題が起こるということです。代金が支払期日に入金されなかったり、代金そのものを踏み倒されてしまったりする可能性があります。

完成工事未収入金が回収不能になってしまった場合、回収業務を行なって代金を回収するか、貸倒損失として経費に計上するかしかありません。一般企業の取引高と違い、建設業界の取引高は数千万円~数億円規模とかなりの額になります。回収不能になってしまうと、会社の資金繰りが悪化するどころか、会社そのものが倒産しかねません。

完成工事未収入金トラブルが起こってしまった場合の正しい対処方法と、トラブル防止対策方法を学んで、資金繰りの悪化や倒産から会社を守りましょう!

完成工事未収入金とはそもそもどんなお金?

完成工事未収入金とはそもそもどんなお金?
完成工事未収入金とは、一般の企業でいうところの「売掛金」にあたります。つまり、後日代金を受け取る権利のことです。一般の会計と建設業会計で使われる勘定科目は言葉が違えど、おなじような意味をもっているのです。

一般会計と建設業会計の言葉の違い

一般会計と建設業会計における言葉と意味を表で比較してみます。

一般会計 建設業会計 意味
売上高 完成工事高 商品の代金、工事の請負金
売上原価 完成工事原価 商品提供、工事完成に必要な経費
売上総利益 完成工事総利益 売上高-売上原価
売掛金 完成工事未収入金 代金を後日受け取る権利
買掛金 工事未払金 代金を後日支払う義務
仕掛品 未完工事支出金 製造途中にある製品
前受金 未完工事受入金 商品納入前に受け取った代金の一部、工事完成前に受け取った代金の一部

 

B社長
未完工事支出金とは、一般の企業会計では「仕掛品」にあたる。お金ではなく、まだ納入していない加工済みの材料という意味なるのだ。
建設業会計において未完工事支出金は、実質は完成していない工事、つまり未完工事の「建設物」ということになる。

 

売掛金とおなじ意味だから起こりうるトラブルもおなじ

売掛金とおなじという意味では、支払遅延や代金の回収不能といった売掛金トラブルもおなじように発生する可能性があるということになります。完成して引き渡しが済んだのにもかかわらず、代金が期日通りに入金されないといったトラブルは、一般企業においても建設業においても発生しうることです。

適切に対処しなければ、会社の資金繰りが悪化してしまい、最悪の場合、倒産という事態になることも想定されます。建設業の取引高は一般企業と違い、数千万円~数億円規模であるため、資金繰りの悪化は倒産に直結しやすいのがネックでもあるのです。

完成工事未収入金が回収できない場合の対処方法

完成工事未収入金が回収できない場合の対処方法
完成工事未収入金が回収できない場合、対処方法としては「回収業務を行なって回収する」か「貸倒損失として経費に計上する」かの2つしかありません。回収業務を行なう場合は「自力で回収業務を行なう」か「外部業者に委託して回収する」かの2つです。

それぞれのメリットやデメリットを踏まえつつ、適切な方法で代金の回収を行ないましょう。

完成工事未収入金が回収できない理由を把握しよう

完成工事未収入金が回収できないと判明したら、どうして回収できないのかという「理由」を把握しましょう。ただ単に取引先の財務状況が悪化しているというだけではないのです。

完成工事未収入金が回収できない主な理由
  • 取引先の財務状況が悪化している
  • 取引先が下請けで元請けから支払いがされていない
  • 工事内容にクレームが発生している
  • 追加工事料金が高額で予算オーバーしている
  • 取引先が支払いを忘れている

取引先の財務状況が悪化している

代金を支払ってくれる取引先の財務状況が悪化して、支払いに回せるお金がない状態です。建設業は基本的に1社だけで工事を請け負うことはありません。家屋やマンションなど住居の工事には、大工さんや水道業者、電気業者などいろいろな業者が一緒に仕事をします。

報酬もそれぞれに支払われます。取引先の財務状況が悪化している場合、すべての業者に代金が支払われなかったり、支払われたとしても契約した金額の満額が貰えなかったりする可能性もあるのです。

取引先が下請けで元請けから支払いがされていない

取引先が下請け企業で、元請け企業からの支払いがされていないために、代金の支払いが滞っている場合です。自分の会社が孫請けで仕事を請け負っている場合に考えられる状況です。

下請けの資金力が低い中小零細企業である場合、元請けから支払われる代金を完成工事未収入金として支払うことが考えられます。直接支払う取引先ではなく、元請け企業にトラブルが起こっている可能性もあるのです。

工事内容にクレームが発生している

商品のやり取りの場合は、商品の返品などで対応できますが、建設業の場合は引き渡した完成工事を返品することはできません。万が一工事内容に不備が合った場合、クレームが発生して支払いがされないというケースもあるのです。

こうしたクレームは自社の責任外のケースもあります。1つの工事に対して複数の企業が関連している場合などが考えられます。水道管から水が漏れていたり、電気の規格が発注と違っていたりなど、工事中のミスが原因で代金の支払いを拒まれるケースもあるのです。

追加工事料金が高額で予算オーバーしている

工事では基本的に事前の見積もりで仕事の請負が決まります。まれに工事中にもかかわらず、取引先から追加工事を依頼されるケースもあります。追加工事の代金が高額な場合、代金を支払う発注者の予算がオーバーしてしまう可能性もあるのです。

取引先が支払いを忘れている

取引先が自社に対する支払いを忘れている可能性もあります。複数企業が入る建設工事などで起こりえます。取引先に入金の確認をとるなどして、再度請求を行ないましょう。

 

B社長
このほかにも、取引先に支払う気がないということも考えられる。状況に応じ、警察や公正取引委員会などに通報することも検討しなければならないかもしれないな。

 

自分でできる回収業務

完成工事未収入金が回収できない場合、自分で回収業務を行なうことも可能です。ここでいう回収業務とは、単に取引先に対して代金支払いを求めるという簡単なものではありません。法律の力を借りて、合法的に回収を行なうことです。

法律の力を借りる場合、一企業ができる方法として挙げられるのが「内容証明による催告」です。催促ではなく「催告」になるため、もし従わない場合は訴訟や督促などの法的手段を講じて代金の回収ができます。

訴訟になると素人では対処できない場合が多いため、弁護士や債権回収代行業者などに依頼して話を進めていくとよいでしょう。

外部業者に依頼する方法も取れる

回収業務そのものを、弁護士や債権回収代行業者に依頼する方法も検討しましょう。企業から企業に対して法的手段を取ると通知しても、会社間のパワーバランスなどが影響して回収に至らないケースもあります。

代金の回収業務を外部に委託することによって、取引先に訴えられるかもしれないという危機感を持たせて支払いを促すこともできますし、実際に法的手段で回収を行なう場合でもスムーズに手続きができます。

懸念されるのは、外部業者に依頼する場合のコストです。回収した代金の数%を外部業者に支払わなければならないケースもあります。委託料金は利益を圧迫することにもつながるため、収支バランスを考えた上で利用を検討するようにしましょう。

完成工事未収入金トラブル対策

完成工事未収入金トラブル対策
取引先に支払いに回せる資金力があるとしても、将来的に倒産などが原因で支払われない可能性もあります。工事を受注するタイミングや受注してからのタイミングで、完成工事未収入金トラブルが起こらないように対策をしておくことも重要なのです。

契約書で完成工事未収入金トラブルを防止する

工事を請け負う際、契約書を交わすことが一般的なルールです。口約束で数千万円~数億円の工事を請け負うことは、まずありえません。契約書を作成して、代金支払い遅延や回収不能などを防ぐことが重要です。

完成工事未収入金の支払期日に遅れた場合の遅延損害金や分割払い時の一括請求など、代金を確実に回収できるような契約書を作成しましょう。企業同士で作成する契約書の信頼性を高めるために、法的な力をもつ「公正証書」を作成するのも1つの手段です。

ファクタリングで回収不能トラブルを防ぐ

ファクタリングとは、支払い期日がまだきていない売掛金や完成工事未収入金といった「売掛債権」を売却して資金を得る方法です。建設業界では利用者が比較的多い金融サービスともいわれています。

ファクタリングは中小企業庁なども利用を推進している合法的な金融サービスです。銀行の事業性融資と違い、毎月の返済なども発生しません。建設業がファクタリングを利用する場合の注意点は2つです。

注意点
  • 買取上限額は完成工事未収入金の金額をカバーできるか?
  • ファクタリング手数料が安いか?

他にも注意点はありますが、建設業で重要なのがこの2つです。

買取上限額は完成工事未収入金の金額をカバーできるか?

ファクタリングは売掛債権を売却して、そのお金を資金として確保できる金融サービスですが、買い取れる売掛債権の金額には上限があります。ファクタリング会社の中には買取上限額を数百万円に設定している会社もあります。

ファクタリング会社を選ぶ際には、この買取上限額にも注意をしなければならないのです。せっかくファクタリングで資金を得たくとも、買取上限額以上は申込みできないため、イチからファクタリング会社選びをしなおすことにもなってしまいます。

買い取ってほしい完成工事未収入金の金額に合わせて、ファクタリング会社選びを行ないましょう。

ファクタリング手数料が安いか?

ファクタリングを利用する際には、手数料が発生します。手数料は貸金業法のように上限が決まっていません。ファクタリング会社同士の「相場」によって決まっています。相場は売掛債権金額の5%~30%程度がかかります。

建設業の完成工事未収入金は金額も高くなるため、たとえ5%だとしても1億円の完成工事未収入金の場合は500万円も手数料がかかるのです。利益を1円でも高く確保するのであれば、なるべく手数料が安い会社を選びましょう。

参照 ファクタリング

 

完成工事未収金トラブルには正しい対処と適切な対策をとろう!

完成工事未収金トラブルには正しい対処と適切な対策をとろう!
完成工事未収入金トラブルは、正しい対処方法と適切な対策を行なうことで、資金繰りの悪化や倒産を引き起こす問題に発展しにくくなります。汗水流して得た報酬は確実に回収して、会社を大きくしていきましょう。

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