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売掛金が回収不能になったときの対処法 売掛金問題を解決と防止するための5つの方法

売掛金が回収不能 売掛金問題を解決と防止するための5つの方法 売掛金

売掛金の回収不能などの問題は、企業の資金繰りに悪影響を与えます。解決することも重要ですが、起こさないための防止策も重要です。

売掛金問題を解決&防止する主な方法として次の5つが挙げられます。

売掛金問題を解決&防止する5つの方法

  • 貸倒引当金を計上する(解決方法)
  • 売掛金の放棄を行い、経費として計上する(解決方法)
  • 行政の融資を検討する(解決方法)
  • 取引先の与信管理(防止方法)
  • ファクタリング(防止方法)

売掛金が回収不能になる原因、そして将来的に自社がどのような状態になっていくのかを理解した上で適切な対処が必要です。

すでに回収を諦めてしまっている売掛金問題があったとしても、経営者であるあなたの行動次第で解決する糸口が見えてくるのです。

売掛金が回収不能になってしまう2つの原因

売掛金回収不能になる原因<

売掛金は、一旦回収不能になってしまうと、回収が非常に困難になってしまいます。本来は回収不能になる前に解決すべきですが、残念ながら多くの会社が回収不能に陥ってしまっています。

東京商工リサーチによると、日本の中小企業は年間で8000社以上も倒産しています。倒産する理由の大部分で「売掛金の回収不能」が関わっているのです。ただし売掛金が回収不能になったらといってすぐに倒産してしまうというわけではありません。

重要なのは、回収不能になったあとにどのような行動を起こすかによって、その会社の命運は決まるのです。

売掛金が回収不能になる原因として、主に次の2つが挙げられます。

売掛金が回収不能になる2つの原因

  • 取引先の倒産による平等分配
  • 売掛金の時効成立

それぞれの詳細を確認していきましょう。

取引先の倒産による平等分配

売掛金を支払う義務のある取引先が、販売不振や資金繰りの悪化などで倒産に陥ってしまうと、売上が回収できなくなります。全く回収できないか、一部回収することができるかのどちらかになります。

倒産にもいくつかの種類がありますが、どのケースであっても「管財人による平等分配」が行なわれます。支払義務のある買掛金や貸付金などが残っている状態で倒産した会社は、倒産後の資産はすべて裁判所から指定された「管財人」が管理することになります。

管財人は倒産した会社の持っていた資産の売却などを行ない、債権を持っている取引先に分配するのです。しかしこの分配では、債権金額の全額が戻ってくることはほぼありません。債権者への配当は基本的に「債権者集会」の後に「平等分配」されます。

債権者集会を行なった上で、破産した企業にいくらの債権を持っていたかがヒアリングされます。このヒアリングによって配当(支払われる売掛金)の割合が決定されるのです。

ここで注意すべきは、債権金額に比例して配当分が平等に決められるという点です。破産法によると、優先的破産債権として契約している債権に関しては、配当割合が他の取引先に比べて高い割当になります。

もし優先的破産債権でないのであれば、他の取引先と平等な割合で分配されます。1000万円の売掛金であろうと、1億円の売掛金であろうと、割合が2割であればその分しか回収できないのです。

ちなみに、企業つまり法人だけではなく、個人が債権者の場合もあります。債権者集会は基本的に法人と個人が一緒になって行われるケースが多いですが、1回の集会で合意に至ることはほとんどありません。

 

管財人による平等分配
つまり取引先が倒産してしまったとする。取引先はまだ未払いの買掛金が複数の会社にあったとしよう。
すると管財人が倒産した会社の資産整理し、未払いの買掛金の支払いに回そうと考える。しかし大抵の場合、金額が足らない。そのような時に平等分配が行われるケースがある。

 

売掛金の時効成立

売掛金には時効があります。ほとんどの売掛金は発生から5年で時効が成立し、債権として効力をもたなくなります。

業種の取引ごとに時効の対象が異なりますが、基本的には5年です。

時効が成立すると、いくら取引先の経営状態が良くて支払可能であったとしても、1円でも回収できなくなります。時効成立前に中断措置を行ない、時効の経過をストップさせることも可能です。しかしそれすらも行なわずに時効が成立してしまった場合は、裁判所に訴訟を起こしても意味がなくなってしまうのです。

 

売掛金の回収には期限がある。
要するに売掛金には回収の期限があるということだ。それが時効だ。この時効を過ぎてしまったら回収することができない。
つまり売掛金があるのなら、なるべく早くに回収しておけば良いということだ。

 

売掛金が回収できないことは会社の将来をなくすこと

売掛金回収不能が引き起こす自分の会社の将来

売掛金の回収不能になってしまうと、会社の将来に大きな悪影響を及ぼします。資金繰りが悪化し、最終的には倒産に向かってしまいます。

そもそも会社を経営する目的は売り上げを得ることです。売り上げを得るということは売掛金を得るということです。その売掛金が入って来なければ、会社経営の目的を果たせません。

売掛金が入って来ないということは、材料の仕入れができません。人件費も支払えませんし、家賃も払えません。何も支払うことができなくなるわけです。つまり資金繰りが悪化している状態です。

この状態では会社を経営している意味がありませんし、むしろマイナスです。

資金繰りの悪化

会社を運営するためにはお金が必要です。そのお金は会社の営業による「売上」から運用するものです。売上が無ければ仕入れができませんし、従業員の給与も支払えません。売上から仕入れを差し引いた金額は「粗利益」となり、粗利益から会社の営業に必要な経費や税金などを差し引いた金額が「純利益」になります。

掛取引は、「売上」として得る予定の代金を、後日受け取る取引です。売掛金として帳簿に計上され、支払期日になると入金されて、会社の売上として計上されます。つまり入金されない売掛金は売上ではないのです。

しかし帳簿上は「黒字」として計上しているため、会社運営に必要な経費などは会社が持っている余剰資金から捻出しなくてはなりません。

売掛金が入金されていない状態が続くことで、結果的に会社のお金が底をついてしまい、仕入れや固定費が支払えなくなってしまうのです。

こうした状態を「資金繰りが悪化している」といいます。資金繰りが悪化することで、会社の運営ができなくなってしまうのです。

それだけではありません。資金繰りが悪化することで、仕入れをしたくてもできない状態になるため、自社の稼ぎ時を逃してしまう「チャンスロス」も発生します。チャンスロスは会社の売上を伸ばすチャンスを逃してしまうという意味の言葉です。

小売業であれば、店頭に出せば飛ぶように売れるはずのものが販売できないという状況になります。サービス業では人件費に回せるお金が無いことで、サービスそのものが提供できなくなる状態になります。

結果的に顧客からの信頼が失墜し、販売不振にもつながってしまうのです。

倒産

資金繰りが悪化して販売不振に陥ることで、会社の運営ができなくなれば倒産を選ぶしかありません。

倒産を避けるために、他の会社に身売りするなどの方法も取られますが、結局は自分の手から会社を手放すという意味では倒産したことと同じ状態になってしまいます。売掛金の回収ができないことで、資金繰りの悪化とチャンスロス、販売不振が起こり、最終的には倒産の道しか残らないのです。

従業員は全員解雇され、それまで培ってきた会社の歴史に幕を閉じることになる「破産」は日本の経済界にも少なくない影響を与えます。売掛金の回収ができなくなることが、結果的に日本の経済へ悪影響を及ぼしているのです。

企業の倒産が日本の経済に影響を与えているというのは言い過ぎを思われるかも知れません。しかし日本企業の大多数は中小企業です。大企業ばかりがいくら儲かっても、社会経済は潤いません。

中小企業の資金繰りを改善し、破産を食い止めることが経済成長につながっているのです。

 

売掛金を得るために会社経営していると言っても過言ではない。
会社の目的はなんだ?利益を上げることだ。利益が上がらなければ仕入もできない、従業員の給与も支払えない、家賃も支払えないといった状態となる。
これで会社は続いていくか?無理だろう。
そのためには利益(売り上げ)である売掛金は必ず回収しなければならない。売掛金を得るために会社は経営していると言っても過言ではない。

 

売掛金が回収不能になったときに取るべき3つの対応

売掛金回収不能を解決する方法と防ぐための対処方法

売掛金が回収不能になってしまったときの対策と、そもそも回収不能になることを防ぐための方法はセットで覚えておきたいところです。とくに取引先とのやり取りを、現金で行っている場合であれば尚更です。

一旦売掛金が回収不能になってしまうと、回収するのは非常に困難になってしまいます。

しかし回収不能になった売掛金を、経費に計上するなどの間接的な解決方法を取ることで、被害を抑えることができます。

売掛金が回収不能になってしまったときに考えられる対策は次の3つが挙げられます。

貸倒引当金を計上する

貸倒引当金とは、まだ回収不能になっていない売掛金や受取手形、貸付金などを回収不能になると見込んで、事前に経費として一定の金額を計上する方法です。

決算期間際になって回収の見込みが立たない場合、貸倒引当金として計上して法人税の節税を行なうことが目的です。

もし決算後に回収できた場合は、償却債権取立益(収益)という名目で計上します。実際に回収不能になり、貸倒引当金よりも金額が多かった場合は、その差額分を「貸倒損失(費用)」として計上できます。

売掛金の放棄を行う

売掛金の放棄をすることで、売掛金の全額を「貸倒損失」として当期決算に計上できます。貸倒引当金は一定額であるのに対し、放棄を行なうことで全額が計上できるようになるのです。

売掛金の放棄は、内容証明などを使って、売掛金の放棄を取引先に伝えなければ利用できません。放棄の判断は経営者であるあなた自身で行なってもよいですが、税理士や経営コンサルに相談してから判断してもよいでしょう。

参照 内容証明郵便での売掛金回収は有効な方法!内容証明には決まった文章形式がある

 

行政の融資を検討する

売掛金の回収不能によって、事業に悪影響が及ぶと判断された場合、公的融資である「取引企業倒産対応融資」が申込みできます。

日本政策金融公庫で扱っている公的融資になるため、売掛金回収不能で資金調達が必要という場合は積極的に利用を検討してください。

日本政策金融公庫の「取引企業倒産対応融資」ホームページはこちらです。

参照 取引企業倒産対応資金(セーフティネット貸付)

 

行政には中小企業の破産防止のための融資制度があります。融資限度額などが細かく設定されており、最高で7200万円、運転資金としては4800万円という限度額が多くなっています。利用可能な企業は、基本的には中小企業や農林水産業、小規模事業者などが対象です。

取引先の破産などで資金繰りが悪化する可能性が高いのであれば、まずは行政融資を相談することをオススメします。

 

売掛金が回収できなかったら適切な対応を取るべきだ。
売掛金が回収できなくなってしまった後に、どのような行動をするのかによって会社の将来は大きく変わる。上記したような対応を取れば、傷口が浅くて済む可能性がある。何もしなければそのまま損失を受けることになる。

 

売掛金が回収不能になることを防ぐ2つの方法

売掛金が回収不能の状態になってからの対応と、売掛金が回収不能になることを防ぐための対処はセットで把握しておきたいところです。

売掛金が回収不能になることを防ぐ方法としておススメしたいのが次の2つです。

取引先の与信管理

売掛金の回収不能を引き起こす場合は、極端な場合を除いて事前に察知可能です。取引先の経営状況などを把握して、掛取引の上限金額を設定してしまうのです。これを「売掛金の与信限度額制度」といいます。

取引先の与信調査を行ない、掛取引で取引可能な金額上限を決定するのです。上限値を設定することで、もし売掛金の回収不能が起こったとしても損害が大きくならずに済みます。

参照 与信限度額の設定は取引では重要なこと

 

ファクタリング

ファクタリングとは売掛金を第三者に売却譲渡して、売上を確保する方法です。利用時に売掛金総額の割合手数料が発生しますが、売掛金回収不能で1円も回収できなくなる状態を回避できます。

売掛金の売却先は、売掛金買取を専門に行なう「ファクタリング会社」です。日本国内に100社以上が営業していますが、業種によって得意分野業種は異なります。自社の業種によっては売掛金の買取を行なっていない場合もあるため、ファクタリングを検討する場合は、まず自社の業種の売掛金の買取が可能かどうかを確認してください。

特殊な業種の場合は買い取ってもらえないケースもありますし、専門的な売掛金だけを買い取る会社もあります。

参照 ファクタリング

 

 

売掛金が回収できそうもないなら、その前に回収してしまう。
売掛金の回収に不安を感じるのであれば、取引の前段階で取引の上限金額を決めておくという方法がある。最悪傷が大きくならなくて済む。それが与信限度額を設定するということだ。
また、もし売掛金が回収できそうもないと判断したら、早めの段階で売掛金自体を売却して、現金化しておくという方法もある。それがファクタリングというサービスだ。

 

売掛金が回収不能になっても最悪の事態は回避すべし!

売掛金回収不能は適切な対応をすれば怖くない!

売掛金の回収不能問題は、適切な対応を行なうことで最悪の事態を免れることが可能です。しかし行動を起こさなければ、状況はよくなりません。まずは、回収前の対策をしっかりと行ない、回収不能時には適切な経理計上や公的融資などの対処を行なってください。

 

売掛金が回収できそうもないなら、その前に回収してしまう。
売掛金が回収できなくなってしまうのは、会社経営にとって非常に都合が悪い。とはいえ、長く経営を続けていると経験することでもある。その時に、適切な対応方法を知っているのか知らないのかで大きく道が分かれる。

 

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