債権回収を弁護士に依頼!実は気を付けたい完全成功報酬型の思わぬ落とし穴

債権回収を弁護士に依頼したい!完全成功報酬型とはどんな契約?
 
 
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売掛債権がうまく回収できないときには、弁護士に依頼することで債権回収を代理で行ってくれます。

売掛債権(売掛金・売上)は、もらって当然のお金です。これを回収することができなければ、事業は傾いてしまいます。相手側からしてみると払って当然のお金なのですが、きちんと支払いをしてくれないことがあるのです。

何度も請求しても支払ってくれないといった会社がある場合、途方に暮れてしまう事業者がいます。

そのような時には、弁護士に依頼をすることで債権の回収を代理で行ってくれます。弁護士が介入することで、今まで支払ってくれなかった取引先が支払いに応じてくれるといったケースは意外とあるのです。

ところが弁護士に仕事をお願いするとなると心配になるのが費用ではないでしょうか。

弁護士によってその費用や報酬体系は異なっているのですが、最近では「完全成功報酬型」の弁護士が多くなってきた印象を持ちます。完全成功報酬型とは、依頼される案件において、目的を達成したときにのみ報酬が発生するということです。

完全成功報酬型ということで「コストが低くて節約できそう」「回収できなかった時には出費がなくて安心」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。

しかしそのような思惑がハズれてしまい、逆に回収コストが増えてしまうこともあるのです。

債権回収コストを低く抑えるためにも「完全成功報酬型の弁護士の仕組み」を紹介していきます。

売掛金の回収ができなければ会社の「損失」になる

売掛金の回収ができなければ会社の「損失」になる

売掛金のような、代金を後日受け取る権利のことを「債権」といいます。そして、この「債権」に対して、取引先が支払期日に代金を支払う義務のことを「債務」といいます。

支払期日に代金を支払わなければ「債務不履行」となり、受け取る側は債権の回収をしなければ、売上げを手にすることはできないのです。

債権の回収は、考えている以上に神経と労力を使うものです。そして結果として取引先から代金を支払ってもらえなかった場合には、売上げとしてカウントされず、さらには回収業務で使ったコストがムダになってしまうのです。

しかし回収業務をしないでそのままにしておくと、売掛金を回収できなくなる「時効」を迎えてしまいます。時効になってしまうと、債権を回収できなくなってしまいます。

このようなことからも、売り上げはしっかりと回収する必要があります。そのために有効なのは「第三者に債権回収を依頼する方法」です。

 

債権は必ず回収。できなければ代行業者にお願いする方法も。
会社を続けていくためにも、必ず売り上げは回収するべきだ。もし回収業務が大変であったりトラブルが生じるようならば、代わりに回収作業を行ってくれるサービスがある。
弁護士であったり司法書士であったり、債権回収代行業者であったりだ。

 

債権回収を第三者に依頼する

第三者とは、弁護士や債権回収代行業者のような、法律を使って自分(自分の会社)の代わりに回収業務をしてくれる業者のことです。

元々、法律が関与する債権回収業務は、弁護士にしかできない仕事でした。しかしバブル崩壊の影響で大量に発生した不良債権(回収できない債権)を処理するためには人手も時間も足りなかったのです。日本政府は不良債権の処理速度をアップさせるために、民間業者へ債権回収業務の権限を与えた法律を制定しました。それが「サービサー法」です。サービサー法により、認可を受けた民間の業者が「債権回収代行業者」なのです。

参照 売掛債権回収代行業者の中には無許可の詐欺業者も

 

弁護士にしろ債権回収代行業者にしろ、依頼する場合には手数料が必要となります。一般的には売掛金総額の数%+日当や交通費などの実費や経費を支払うこととなります。

「いっそ弁護士や債権回収代行業者に任せられれば楽なのに・・・」と思いつつも、高額な依頼料になるのではないかと、イマイチ踏み切れないという人もいるでしょう。そこで増えてきたのが「完全成功報酬型の弁護士」です。

完全成功報酬型の弁護士に依頼する

完全成功報酬型の弁護士とは、依頼された債権回収業務を行ない、その債権回収に成功した場合のみ報酬が発生する「仕組み」を使っている弁護士のことです。

一般の弁護士の場合、仕事を依頼する際に着手金が必要となります。この金額は弁護士によって異なります。さらに回収できた債権の金額の数%を報酬として支払うケースが多いです。結果的に「着手金+成功報酬」という形となります。

ところが完全成功報酬型の弁護士の場合は、債権の回収に成功することが報酬発生の条件となるため着手金が必要ではありません。ただし着手金が必要でない分、もしくは安い分、成功報酬が高くなります。

ただし完全成功報酬型の弁護士の場合、債権の回収に失敗すれば報酬を支払う必要はありません。つまり完全成功報酬型の弁護士というのは、自分の力の自信を持っていなければできない設定なのです。

完全成功報酬型弁護士に依頼するメリット

完全成功報酬型弁護士に依頼するメリット

完全成功報酬型弁護士に依頼するメリットは主に次の2つです。

個人的には完全成功報酬型の方が良いかと思います。

なぜなら、実際にはどの程度の仕事をしているのか分からないものです。大した仕事をせずに交渉に失敗し、着手金だけを取られるといった可能性があるためです。

報酬が固定されている

成功報酬型弁護士は、回収できた債権総額の〇%というように、報酬が固定されています。

一般の弁護士であれば、回収業務の中で突発的に起こった問題に対しても費用が発生するため、最終的にいくらぐらいの手数料が発生するのかが正確ではありません。一般の弁護士が債権回収業務をおこなった場合、依頼から終了まで次のような費用が発生します。

初回の相談料

相談料は、法律相談をした際に発生するコストです。初回のみ無料、最初の1時間は無料と設定している弁護士も増えています。相談料については、完全成功報酬型弁護士に限らず、通常の弁護士も取り入れている場合が多いです。

事務所外で業務行なう際に発生する日当

大手弁護士事務所がテレビCMなどでアピールしている「着手金無料」という文言。着手金とは、要は前払いで必要経費が発生する費用です。債権が回収できてもできなくても、依頼をした時点で発生するコストになります。

着手金は、債権額割合で金額が決まることもあれば、依頼案件によって金額を設定されている場合もあります。

事務所外で業務行なう際に発生する日当

日当は、弁護士が事務所を離れて仕事をする際に発生するコストです。債権回収のために出張をしたり、裁判で出廷したりと、債権回収をする場合は事務所以外の仕事も多くなります。一般の弁護士の場合、半日分の日当だけで3~5万円が発生します。

回収業務で発生する実費

法的手段の際に必要な手続きや書類作成で経費が発生します。裁判になった際には裁判所に支払うための納付金や印紙代などが実費にあたります。

完全成功報酬型弁護士の場合は、これらの費用がすべて成功報酬に含まれるため、予定外の費用が発生しないというメリットがあるのです。

一般の弁護士と同じように申込できる

完全成功報酬型の弁護士は、一般の弁護士に債権回収を依頼する場合と同じように申込ができます。報酬発生などが異なるだけで、弁護士としての業務に大きな違いはないのです。

注意すべきは、完全成功報酬型弁護士の場合、最初の相談料まで無報酬ではないという点です。あくまでも債権回収代行を依頼して、契約を結んだ段階から「完全成功報酬」に切り替わるのであって、最初の相談時には一般の弁護士と同じように相談料が発生します。

相談料は30分5,000円~10,000円程度と弁護士によっても変わります。相談に行く前に、相談対象の弁護士事務所へ確認してみることをオススメします。

 

B社長
初回相談料無料という弁護士事務所もありますが、完全成功報酬型ではない可能性もあります。事前の確認は必ずしておきましょう。

 

完全成功報酬型弁護士に依頼する場合の注意点

完全成功報酬型弁護士に依頼する場合の注意点

弁護士に債権の回収を依頼する場合、本来は相談料や依頼手数料、交通費などの経費などが発生します。

完全成功報酬型の弁護士が抱えるリスクとして、扱う案件で依頼人の希望に沿わない結果になってしまうと報酬はゼロとなってしまうリスクがあるのです。

逆に依頼する側としては、報酬を支払わなくてもよくなる可能性が生まれます。債権回収に失敗すれば、弁護士にかかる費用を節約できますし、回収できなかった債権を「損失」として経費に計上することができます。

このように見ていくと、完全報酬型の弁護士は損であるかのような印象を持つかもしれません。しかしそのような損につながるようなことを弁護士はしません。しっかりと計算をしています。

完全成功報酬型弁護士の中には、報酬を一般の弁護士よりも高く設定する傾向があります。

もちろん、経験と実績があり、実力があるからこそできることです。そうでなければ成功報酬という設定はリスクが高いことになってしまいます。

債権回収を弁護士に依頼する場合は「完全成功報酬型」という言葉に惑わされないように!

債権回収を弁護士に依頼する場合は「完全成功報酬型」という言葉に惑わされないように!

完全成功報酬型弁護士は、発生する費用が事前にわかりやすいといったメリットがある反面、トータルの回収コストで考えると、一般の弁護士費用よりも割高になる可能性が高いです。

ただし割高になる可能性があるというだけであり、絶対というわけではありません。

個人的な意見としては完全成功報酬型の方が良いとは思います。報酬を得るために必死に動いてくれると安易に想像ができるためです。

とはいえ、実査に弁護士に債権回収を依頼する際には、複数の事務所に声をかけます。

自分で判断できない場合は、税理士や会計士などの士業に相談してみるとよいでしょう。職業柄、債権回収業務を行っている職種と通じている可能性があります。

また、弁護士会や法テラスといった機関の利用も検討してみるとよいでしょう。回収コストを低くするために、依頼前の調査を怠らないようにしましょう。

参照 法テラス

 

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株式会社デキタ 渡邉
株式会社デキタの代表取締役。資金調達に関する知識を身に付けるために「ファクタリングで資金調達デキタ!」を制作・運営。その延長線上で、事業者の利用する資金調達方法に焦点を当てた当サイトを企画・制作・運営。 資金調達に関する記事執筆は2018年より開始。複数の税理士やファイナンシャルプランナーと交流しながら、記事執筆をつづける。