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完成工事未収入金は「売掛金」 未成工事支出金は「仕掛品」 建設業の会計をわかりやすく解説

未完成工事支出金とは建設業会計の売掛金のこと!わかりやすく解説します! 売掛金問題の解決方法と予防策

建設業界では一般の社会とは異なった簿記用語が利用されることがあります。

たとえば建築業界で利用される「完成工事未収入金」という言葉は、一般的には「売掛金」と言われています。また「未成工事支出金」は「仕掛品」と言われています。そしてこの「未成工事支出金」は「未完工事支出金」と呼ばれることもあります。

 

「完成工事未収入金」=「売掛金」
「完成工事未収入金」=「売掛金」
「未成工事支出金・未完工事支出金」=「仕掛品」
こういうこと。

 

単純に言い換えられているだけかと思いきや、建築業界特有の特徴も含んでいることがあり、多少意味合いが異なってくることもあります。

たとえば一般社会で使われる「仕掛品」という言葉ですが、当期計上が原則となります。ところが建築業界では「未成工事支出金」と言われ「工事完成までの期間」と「工事の進み具合」に合わせて変動するという違いもあります。

このように、一般的に利用される「売掛金」「仕掛品」という言葉が、建設業界では違った言葉で表現され、なおかつ多少意味が異なってくることがあります。その辺りを勘違いして計上してしまうと、資金繰りが悪化してしまう可能性が出てくるのです

未成工事支出金とは未完成の工事で発生した費用や支出のこと

未成工事支出金とは未完成の工事で発生した費用や支出のこと

未成工事支出金とは、「まだ完成していない工事で発生した費用や支出」のことです。一般の会社でいうところの「仕掛品」と同じ意味を持ちます。

ビルを建てたりするような建設業の場合は、未成工事支出金という名前で仕訳をします。

そもそも、仕掛品とは「販売ができるまでに製造しており、さらに加工が必要なためにそのままでは販売できないもの」です。

 

仕掛品はまだ製作途中で販売できないもの
仕掛品とは「まだ製造途中であり、その状態では販売できないもの」ということだ。

 

たとえば、発酵させている途中の日本酒や、ICチップは取付けていても外側の加工が終わっていないスマートフォンなどが当てはまります。

建設業で例えるなら、ある程度は形となっているが、まだ販売できる状態ではない建物のことです。まさしく仕掛品です。ただし仕掛品という名前ではまぎらわしいので、未成工事支出金というネーミングとなっているのです。

 

B社長
製作途中という過程を表す言葉よりも、長い時間をかけて作られる商品にどれくらいの支出が出ているのか、年単位で確認できるようになっているものだと考えておくとよいだろう。

 

建設業は、融資を依頼する金融機関や株主、投資家など対外的に年単位の事業業績を提示する機会が多い業種となります。

未成工事支出金として正しく経費計上することは業績提示、アピールのための項目と思われがちです。

経理で重要なのは、アピールのためという部分以外に、お金の流れを正しく把握することです。お金の流れを把握して、問題があれば改善する。一見当たり前のことが資金ショートの回避にもつながるのです。

未成工事支出金は資産

未成工事支出金は「資産」という扱いになります。代金を受け取っていない「売掛金」と同じ扱いになるためです。

そもそも、建設業についての経理は、他の業種とは少し異なります。建設業の場合は「勘定科目」が特有の言葉に置き換えられているのです。

建設業経理の科目名一般経理の科目名
資産完成工事未収入金売掛金
未成工事支出金仕掛品
負債工事未払金買掛金
未成工事受入金前受金

未成工事支出金は商業簿記における「仕掛品」と同じ意味を持っています。未成工事支出金には「洗い替え」と「建設仮勘定」という、あまり聞きなれない計上方法があるのです。

未成工事支出金の「洗い替え」とは次期に繰り越しができること

勘定科目上で未成工事支出金は、次の決算期に売り上げとなる可能性があるため、資産として繰り越し計上ができます。これを「洗い替え」といいます。

建設業や土木業は受けた仕事が終わるまで長い時間がかかるものです。着工から1年目でかかった費用を負債に計上しても、完成までに2年かかるものはすぐに売上として計上できません。

1つの仕事に対して、「売上」と工事完成までに発生した「費用」は、1セットにしていなければ正しい計上とはいえません。売上と費用は対応している必要があります。そのため一旦資産として計上しておくのです。

工事が完了して売上になった際に、あらためて費用として計上して帳尻を合わせることが可能です。

未成工事支出金の「建設仮勘定」とは資産として計上できること

未成工事支出金は工事の進行具合を見ながら「資産として」計上していきます。これを「建設仮勘定」と呼びます。

完成までに決算期をまたぐ工期の仕事であった場合、それまでにかかる工事費用や工事外で発生する支出を「年区切り」で計上して把握しなければなりません。

それぞれどのくらいの金額がかかったのかを費用別に区分した上で、未成工事支出金として計上していきます。区分分けをしておくことで、2年目からの支出上限がどこまでなのかをある程度見通すことができるのです。

工事の完成度に応じて計上していくことで、工事が完成したあとに「原価」としてスムーズに振替られるのです。

未成工事支出金の「計上漏れ」が引き起こす資金繰りの悪化

未成工事支出金の「計上漏れ」が引き起こす資金繰りの悪化

未完工事支出金の計上漏れは資金繰りの悪化に繋がります。

単なる計上ミスであれば、確定申告後に修正申告をすれば良い話です。ところが実際にお金を使う立場になると、計上漏れがジワジワと資金繰りを圧迫してくるのです。

資金繰りに困っている建設業や土木業の特徴として、未成工事支出金の意味を勘違いしてしまっているケースがあるとされます。正確に理解しないまま会計処理をしてしまうことで、計上漏れの発生に繋がってしまうのです。

計上漏れが起きてしまうと、会社の運転資金の正しい流れが把握できなくなってしまい、いつのまにかキャッシュフローを悪化させているという状態を作ってしまうのです。

会計処理にミスが起こってしまう原因として2つのことが考えられます。

出来高割合で計上していないから

未成工事支出金は、工事の進捗状況に合わせた「出来高割合」で計上しなければなりません。

未成工事支出金は完成するまでは資産として計上されます。「完成してからかかった費用を割り出せばよい」と大体で計上するものではありません。

未成工事支出金を大体の目安で計上してしまうと、完成した後に費用として計上する時にズレが生じてしまいます。

 

B社長
「終わり良ければすべて良し」というコトワザがある。しかし経理の世界では、それが通用しない。

 

内訳書を後付けで作成している

未成工事支出金を計上する際、重要となるのが「未完成工事内訳書」です。経費に計上するにしても、詳細を記載していなければ意味がありません。

しかし建設業の場合は、工事期間中に当初予定していた支出以上の出費が発生することがあります。

事務作業の簡素化で事前に内訳書を作成していたとしても、イレギュラーな出費が発生したのであれば、その都度内訳書を作成しなければなりません。この内訳書を後付け、つまり決算期になってからまとめて作成してしまうと、どのようにお金が動いているのかが分かりづらくなってしまいます。結果的にキャッシュフローが悪化し資金繰りの悪化に陥るのです。

キャッシュフローとは、売上げから支出を差し引いた手元に残る資金の流れのことです。契約する際に見積もりを出しているため、売り上げの見通しはある程度頭に入っていることでしょう。しかし原価となる費用は着工してみないと確実な数字が出せなかったりします。想定以上に人件費がかさんだり、天候の影響で工事の進捗が思うように進まなかったりする現実もあります。

予想外の出来事が起こったときに、かかった支出を見落とさずに計上していかないとお金の流れがつかみづらくなってしまうのです。

たとえば工事全体を10割として、本当は8割の原価がかかっているのに6割しかかかっていないとおおざっぱに計上していると、2割の誤差が生じてしまいます。建設業や土木業は取引高も高額になるため、たった2割の誤差が数千万円規模になる場合もあるのです。

その結果、蓋を開けてみると赤字になっていた・・・という事態も起こり得るのです。未成工事支出金を正しく計上していないと、キャッシュフローが悪化して自分の首を絞めてしまいかねないと覚えておきましょう。

キャッシュフロー悪化を防ぐために資金調達を行なう

キャッシュフロー悪化を防ぐために資金調達を行なう
キャッシュフロー悪化を防ぐために資金調達をしなければならない場合があります。資金調達には金融機関の事業性融資やビジネスローンなどが挙げられます。

工事が完了して引き渡しが行なわれるまでの費用は自社で持たなければならないケースがほとんどです。途中で進捗に合わせて支払いをしてくれる施主さんもいますが、ほとんどの場合は引き渡し後に清算されます。しかしこの取引方法は、キャッシュフローが悪化する可能性をはらんでいます。

キャッシュフロー悪化の原因

工事にかかる費用は規模が大きいものは億単位で発生します。工事の規模が大きいほど人件費もかかります。

外注をするとなると、工事完成を待たずして外注工事が納品されたタイミングで支払いをしなければなりません。イレギュラーなことが起これば、想定外の費用もかかってきます。

金額が大きくなるほど自社の負担が大きくなります。融資などの資金調達を行なって対応せざるを得なくなるのです。仮に融資審査に通ったとしても、どんぶり勘定の場合は入ってきたお金と出ていったお金の境目があいまいになってしまい、後々の返済がおぼつかなくなってしまう可能性もあります。

ファクタリングで無借金の資金調達を行なう

将来的な借金になる事業性融資とは違い、借金にならずに資金調達できる方法が「ファクタリング」です。ファクタリングとは、支払いがされていない売掛債権を第三者に売却する資金調達方法です。支払いがされていない工事代金を資金化できます。

利用時に債権の金額に応じた手数料が発生します。引き渡し時に清算となる建設業や土木業にとっては、資金繰りを改善させられる方法として注目されている資金調達方法なのです。また、ファクタリングは事業性融資やビジネスローンのような月々の返済も発生しません。

おおざっぱな会計処理が原因で資金繰りが悪化しているのならば、まずはファクタリングで当面の危機を回避してください。その後、未成工事支出金の管理などを見直してキャッシュフローを改善しましょう。

 

B社長
計画的にファクタリングを行なうことで、財務管理の仕組みを見直すと良いだろう。

 

参照 ファクタリング

 

未成工事支出金の正しい計上で資金ショートを防ぐ!

未成工事支出金の正しい計上で資金ショートを防ぐ!
未成工事支出金の正しい計上ができていれば、資金ショートを防げます。未成工事支出金は大体の目安を計上するためにあるのではなく、次期に繋げて売上を正しく出すために必要な項目です。

キャッシュフローの途中経過を把握しながら工事を進めていけば、資金ショートすることも防げます。経費の計上はしっかりと行い、労力に見合った売上をがっちり確保しましょう。

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